今月は深沢しのさんの歌をとりあげます。
原歌:水揚げの悪ければ採らず手の届くモリンガの葉のふさふさ茂るを
(千代)この歌は、結句から初句につながるのですか?手の届くモリンガの葉はふさふさ茂っているけれど水揚げが悪いので採らなかった、ということでしょうか?もし、それが作者の意図した歌なら、「手に届くふさふさ茂るモリンガは水揚げ悪ければ
(北里)モリンガはフーパーフードとして今話題で商品化されて販売されているようですねね。「水揚げ」は漁獲のことかと思いましたが、花の水揚げ処理のことでしょうか。水が揚がっていなければ葉がふさふさしていないのではと思いましたが、どうなのでしょう。
(白樺)作者の着眼点はふさふさとした珍しい(今話題?)モリンガの葉だと思いますが、二句目の「悪ければ採らず・・」の字余りが少し気になり説明的に響きます。
倒置を用いた歌で、上の句でまず動作の理由「水揚げが悪いので」と動作「採らず」が目に飛び込んできます。下の句を読むまでは何を採らないのか分かりません。散文的には「採ってしまうと水揚げが悪いので手には届くがふさふさ茂っているモリンガの葉を採らない」となるところでしょうか。短歌を始めた頃の基本として、分かり易い、心がこもっている、上の句と下の句の関係等を習いましたが、上の句と下の句の関係が少し曖昧で焦点が分散してしまっている感じもします。歌の心は手に届くモリンガの葉がふさふさ茂ってるが切ってしまうと折角みずみずしいモリンガの葉が枯れてしまうので採るのを躊躇した作者の心が伝わりますが言葉の順序を置き換えた最終歌では、
手に届くふさふさ茂るモリンガを水揚げ悪ければ採るをためらう
構成的には原歌よりもすっきりしましたがまだ少し散文調の感じもします。
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