元歌: *隅田川の花火の遠音を聴きながら夏の夜空を見上げてゐたり 最終歌:*隅田川の花火の遠音聴きながら下町の夜空を見上けてゐたり
白樺さんは、花火という題詠で三連作を出詠しました。その第一首目を今月の短歌にとりあげました。作歌者の実家は東京下町にあり、スカイツリーも眺められ、夏の情緒豊かな、有名な隅田川の花火大会も見える場所に位置しています。幼いころから見慣れている懐かしい花火と下町の夏の風情が懐かしく詠われています。元歌:*隅田川の花火の遠音を聴きながら夏の夜空を見上げてゐたり
(千代)‟遠音“の後の助詞 ”を“ は、いらないのではないですか。きわめて平らかな表現ですが、過ぎ去った古き良き日を自ずから思い出させます。
(北里)遠くに音だけが聞こえていて、実際には花火は見えないのに、それでも空を見上げている、という内容ですね。浴衣姿で団扇でも扇いでいるいるのかなと思うと風情があります。
(深沢)ご実家が東京でいらっしゃるので花火となると隅田川となるのは理解できますが、白樺さんが通常詠われる味がないように感じます。綺麗な短歌なのですが、なぜか心が打たれません。違う歌にも同一の夏の夜空が使用されていて歌が似通っています。4句目と5句目で遠くで聞こえる花火の音から思い出すことなどが詠えないでしょうか。
スカイツリーを窓より眺むる家にゐてビールで涼む蒸し暑き夏
スカイツリー窓より眺むる熱帯夜 喉を潤すビールの冷たさ
*隅田川の夏の夜空の祭典に暑さ吹き飛ぶ打ち上げ花火
隅田川の真夏の夜空に美を競ふ打ち上げ花火に吹き散る猛暑
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