今月は白樺ようこさんの歌をとりあげます。
*地中海の陽射しも一緒に煮込むでゐるソースことことつぶやくオリーブ
この歌に対していろいろな理解が出てきましたが、抽象的な歌である場合、様々な理解が可能ですが、具体が詠われている時には、出来るだけ誤解は避けたいもので、避けるには、誤解を生むような表現は避けるべきだと思います。三人の講評者が居て、二人がこの歌の場所を、地中海が見えるところで料理をしている、と理解しました。理解力が足りない、というよりも、歌の歌い方に誤解が生じるような部分があったのではないか、と思います。そこで、下記の私(千代)の評となったのですが、その部分を自己推敲の時点で、しっかりと取り入れてくれ、下記の最終歌、となりましたが、最終歌は、本当にすっきりとして、誤解のないような歌となりました。
(千代:「煮込むでゐる」は、「煮込みゐる」では?煮込みゐるは、ソースにかかるのですよね?ここで詠いたいのは、オリーブ油でソースを作っているので、地中海の光を浴びてでできるオリーブだから、陽射しも一緒に煮込んでいる、と詠ったのですよね?(白樺:はいそうです。) 上記の私の理解が正しいなら、読者に分かりやすくするためには、語順を変えたら如何でしょうか。例えば「・・・・・煮込みゐるオリーブソース・・・・・」結句は分かりませんが、煮込んでいるのは作者ですから、オリーブを擬人法で使わないで、ナベの中のオリーブオイルの状態を詠ったほうがいいのでは?
(中井)地中海の見えるところで料理をしていると読めます。ドミトリーのようなところに滞在しての歌なのかも。
(北里)地中海という場所で「陽ざしもスープに煮込む」とう発想がいいですね。「スープことこと」はオリジナルな表現がでるといいのでは。オリーブは何と呟いているのか、そこを擬音化するとおもしろいのでは。「煮込むでゐる」は旧かなづかいでなくても良いのではと思いました。
最終歌:*地中海の陽射しを運ぶオリーブの赤茄子ソースをことこと煮込む
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