10月の短歌と合評
担当:深沢
今月の短歌は宇津木さんの歌をとりあげました。
以前から作者は卓球の達人だと聞いており、この夏久しぶりにお会いした際、練習日の状況、周囲の様子、練習への意気込み等についてお話を伺いました。ご当人も卓球仲間からは「スマッシュの女王」と呼ばれているらしく、みかけによらぬスポーツにかける熱意を熱く語られていました。その状況が頭の中を巡り、歌を拝見した時、この歌にしようと決めました。オリンピックもあった今年ですが、どこかの場で多大な活躍をして頂きたいと願っております。現在では誰にでも定着したTシャツですが、古くなって穴が開いていてボロボロになっていても、どうしても捨て難い1枚があるものです。そんなわが子が袖を通した着古しのTシャツで練習している作者の情景がほのぼのとして感じられたので、この歌を選びました。
宇津木千代
(北里)お元気で卓球を続けておられるのはうらやましいです。毎週息子さんの古着を着て汗を流す母の気持ちとは、幸せそのものなのではないでしょうか。「火曜日」という具体がいいと思いました。
(中井)「たつぷり身を入れ」は、大きくて身に余る感じなんですね。捨てるに捨てられない、子への愛惜の情。
(白樺)「たつぷり身を入れ」の表現がユーモラスです。
(深沢)年季の入ったTシャツを着ての練習にかける姿が目に浮かびます。
最終歌 *火曜日は卓球に汗す着古しし子のTシャツにたつぷり身を入れ
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