担当 宇津木千代
今月の短歌は、白樺ようこさんの歌を取り上げました。
白樺さんの歌を読み、台所に立つ亡き母の後ろ姿を彷彿させられました。昔の古びた薄暗い台所に、母はいつも立って煮物をしていました。久しぶりに実家に戻ってきた娘に寒鰤を食べさせたくて、痛む足を引きずってきっと台所に立っていたのでしょうね。お母さまとふつふつ煮える寒鰤と、かって女の居場所であった台所。それらの語彙が日本を殊更懐かしく思わしめます。ただ気になったのは「足萎え」という言葉。かっては当たり前に使っていた言葉でしょうが、今は差別用語として禁止されているはずです。たとえ身内に対してでも禁止用語は使わない方がいいと思います。
今月の短歌は、白樺ようこさんの歌を取り上げました。
白樺さんの歌を読み、台所に立つ亡き母の後ろ姿を彷彿させられました。昔の古びた薄暗い台所に、母はいつも立って煮物をしていました。久しぶりに実家に戻ってきた娘に寒鰤を食べさせたくて、痛む足を引きずってきっと台所に立っていたのでしょうね。お母さまとふつふつ煮える寒鰤と、かって女の居場所であった台所。それらの語彙が日本を殊更懐かしく思わしめます。ただ気になったのは「足萎え」という言葉。かっては当たり前に使っていた言葉でしょうが、今は差別用語として禁止されているはずです。たとえ身内に対してでも禁止用語は使わない方がいいと思います。
原歌:寒鰤のふつふつ煮える音のして足萎えの母厨に立てる
(千代) “足萎え”は、めくらやびっこと同じように差別用語に属しています。多分、放送禁止や新聞など禁止用語になっていると思います。お母さまに対してのことですが、公になる歌でも、おそらく禁止されているのではないでしょうか。4句目と結句を「・・・・・足不自由なる母厨に立つ」としてみましたが?
(北里)ブリのあら煮でしょうか。美味しそうですね。お母様が厨に立ったがゆえに煮える音がするのだと思うので、「して」を工夫すると良いと思います。(深沢)ふつふつという表現はすごくいいですね。鍋の中で煮えている様子が頭一杯に広がります。
(深沢)ふつふつという表現はすごくいいですね。鍋の中で煮えている様子が頭一杯に広がります。
最終歌:寒鰤のふつふつ煮える音のする厨に立てる歩行器の母
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