2022年4月10日日曜日

2022年 3月 短歌と合評

担当:深沢しの

 今月の短歌は北里さんの歌を選びました。

重低音で鳴り響くボイラーの音は、その場で聞く音よりも離れた所で聞く音の方が反響して大きくなる事がありま機械が動いている時はさまざまな音が出ていますが、正常な動作音と事故につながる可能性のある危険な音も存在します「唸る」という題詠にのっとり1首を詠うがために、夜中で不気味であるその場の状況を表現するのに相応しい語彙の選択に興味がそそられました。

元歌: ボイラーの低く唸るを聞きながら処置室前に父待ちし真夜
最終歌:ボイラーの低く唸るを聞きながら処置室前に父待ちし真夜

 

(深沢)真夜中に耳に入ってくる音には、何とも言えない恐怖感も募ります。どのような気持ちで時間た経つのを待っておられたのか、とても寂しい歌の様子が感じられます。

(白樺)しんとした夜中のボイラーの唸る音に作者の揺れ動く心情が伝わるようです

(千代)“ボイラーの低く唸る音” それも真夜中であれば余計不気味に、不吉な状況が描き出されていますね。この時の状況が、ボイラーという小道具を使って上手く描き出されていると思います。

 

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