北里かおるさんの歌を取り上げます。 11月のお題は「赤または紅」でした。
百人一首には白を詠み込んだ歌は6首ありますが、赤は思いのほか少ない。 在原業平朝臣の「ちはやぶる神代もきかず 龍田川からくれなゐ(唐紅)に水くくるとは」に紅が詠まれている他に、紅葉(もみじ)を詠んだものが数首あるのみです。赤い色にはあまり情趣を感じなかったのか、忌み嫌われたのか私には分かりません。
現代にあって、色が様々のシーンで重要なポイントになっている事が多いのですから、もっと色を歌に詠み込んでみたいものだと思います。
元の歌
百人一首には白を詠み込んだ歌は6首ありますが、赤は思いのほか少ない。 在原業平朝臣の「ちはやぶる神代もきかず 龍田川からくれなゐ(唐紅)に水くくるとは」に紅が詠まれている他に、紅葉(もみじ)を詠んだものが数首あるのみです。赤い色にはあまり情趣を感じなかったのか、忌み嫌われたのか私には分かりません。
現代にあって、色が様々のシーンで重要なポイントになっている事が多いのですから、もっと色を歌に詠み込んでみたいものだと思います。
元の歌
*その姿天つくごとし寒風に威勢よきまま赤トウガラシ
(千代)寒風に威勢よきままだから、「天衝くごとし」と表現したのだと思いますし、威勢よきままの表現はいらないと思います。「・・・寒風にますます赤くトウガラシ冴ゆ」としてみました。
(白樺)赤い唐辛子がツンと寒空にのびている様子がたのもしい印象のお歌です。赤唐辛子といえば寒い季節に祖母が山になった白菜を木製の樽に漬け込んでいたのを思い起こしました。冬の寒さとピリッとした唐辛子は相性がよいようですね。
(北里)「唐辛子」と漢字表記もありでしょうか。空に向かって成長する動画裸子の畑での姿を見たことがない人にはピンとこない歌だと思います。
(中井)いいと思いますが、二句切れにせず一気に続けた方が良いような気がします。「寒風に天つくごとく輝きて威勢よきかな赤トウガラシ」
(北里)これも私の畑のトウガラシです。山口先生の添削をいただきました。ありがとうございます。
推敲後の歌
*その姿天衝くごとし寒風にますます赤くトウガラシ冴ゆ
すきっとした、とてもいい歌になったと思います。寒風の中の青空に反対色の赤が映えて、際立った美しが表現されていると思います。生命力と活力が溢れて、読み手に元気を与えてくれる歌となっているのは、赤のなせる業でしょうか。赤を見事に詠んだ秀歌だと思います。
すきっとした、とてもいい歌になったと思います。寒風の中の青空に反対色の赤が映えて、際立った美しが表現されていると思います。生命力と活力が溢れて、読み手に元気を与えてくれる歌となっているのは、赤のなせる業でしょうか。赤を見事に詠んだ秀歌だと思います。
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