2015年8月1日土曜日

2015年7月 短歌と合評


担当;萩 洋子    

今月は北里さんの一首を取り上げました。いろいろな短歌がある中で、ほっと一息つけるような一首だからです。多くの人がめまぐるしく過ごしている中、その一首を読んで、いい歌だなあと思う時間が持てるだけでも少し得をした気分になれるかもしれません。テレビから流れてきた言葉『何か特別なことが起きるのが奇跡ではない、平凡な日常を過ごせていること事態が奇跡なのだ』本当にそう思います。この歌のように日常生活における些細なことやちょっと気になってることを気負わずに想像が広がるような一首に纏めたいものです。最終歌では2句目が「噂を聞きしも」となっています。講評にあるように「噂聞きしも」とすれば定型におさまりますが「を」を入れたのは“噂”を強調することを重視されたのでしょうね。

*閉店の噂を聞くもマスターはいつものように珈琲淹れる                                              
                                            
(萩)穏やかな時が流れている感じが伝わってきて、いいと思います。                                   (千代)二句目は「噂聞きしも」と過去にしないと結句の現在形が生きないですね。自然に出来上がった歌、きっとスムースに言葉になった歌だと思います。いいですね。                                        (中井)その後どうなったのでしょう。気になる店ですね。「噂を聞くも」で、一瞬マスターに直接「こんなうわさが有るけど・・」と真偽のほどを聞いたのかと思ってしまいました。ここは「噂のあるも」くらいが柔らかな感じが出ていいと思います。
(白樺:もう一味スパイスが欲しいところです。)                                                         (北里)講評をありがとうございました。そこの自家焙煎のコーヒーが美味しいので豆が手に入らなくなるのをファンは心配しています。年だからやめるやめると繰り返し言っているので、噂は今もあるので聞いたという過去形の話ではないのですが。まだ豆は買えています。中井さんの添削のように「噂のあるも」が実際かと思いますが「聞く」という動詞を入れたかったので。ここにスパイスを加えるような発想は出てきませんでした。
最終歌;閉店の噂を聞きしもマスターはいつものように珈琲淹れる 

0 件のコメント:

コメントを投稿