2022年11月1日火曜日

2022年10月の短歌と合評

 

担当:北里

元 歌:ドタンドタン乾燥機泣けり音のして投げ込みしシューズ急ぎ撤収

最終歌:ドタンドタン荒立つ音出す乾燥機慌てテニスシューズ掴み出したり

オノマトペの入った歌を題詠としました。日本語にはオノマトペの表現が約5千種類もあるそうですが、意識してオノマトペを入れて作歌するというのは、なかなか難しいものだと感じました。今回は切り取りの面白さで深沢さんの歌を選びました。乾燥機の立てるいつもと異なる音「ドタンドタン」に注視した点は、日常の生活の一場面でありながら目の付け所が新鮮で良いと思います。オノマトペは感覚的な言葉なのでイメージが一致する場合ばかりではないと思いますが、短歌ではある程度イメージを共有できることが大切かと思います。4句目は元歌のように単に「シューズ」とし「あわててシューズ」とすると漢字続きも解消され、リズムも整うのではと思いました。

合 評

(千代)ドタンドタンが泣けりとはちょっとそぐわないように思う。泣けりを“荒立つ”としてみました。“ドタンドタン荒立つ音出す乾燥機 慌てテニスシューズ掴み出したり”としてみました。参考までに。

(白樺)乾燥機の擬人化は面白いですがドタンドタンは泣き声というより怒鳴り声に近いのでは?

(北里)面白い切り取りで楽しいですね。「ドタン」を「泣く音」というのは無理があるように思います。文句を言っているようなイメージでは。また「泣けり」で切きれるのでしょうか、「音」に掛かるなら「~の泣く音」となるのでは。