2020年10月5日月曜日

令和二年 九月の短歌と合評


担当:宇津木千代

元歌: 生徒らと離れて立ちて虹を見る校舎の屋上マスク外して

最終歌:生徒らと離れて立ちて虹を見る校舎の屋上マスク外して

今月の題詠は「社会詠」でしたので、コロナ禍を詠じた歌が多かったです。その中で、ほっとするような歌が北里さんの歌でしたので、今月の歌として北里かおるさんの歌を選びました。コロナ禍、コロナ禍とうんざりするような社会現象が生まれていますが、そんな中で人々は鬱積する気持ちを吐き出す手段も見い出せず、鬱々と過ごす日々が多いと思います。教師として働いている北里さんは、きっと生徒が「先生虹だ、虹だよ」と窓に集まり騒いでいる生徒を制し、「それじゃ屋上に上がって観ようか」と、生徒を誘い出して、共に屋上に上がっていったのでしょうか。解放感を味わうためにマスクをとっても、密は避けて、夢の広がる虹を眺めて晴れ晴れとしている生徒と先生の姿がよく伝わってきます。

(深沢)PPEが必要でも屋上の上でソーシャルデイスタンスを保ち虹を見る等素敵ですね。

 今年は4月から年内一杯リモート授業なのでとても寂しい気持ちでいっぱいです。

(千代)なるほど、虹、マスクを外して、屋上などということで歌として仕上がっているように感じます。いろいろと想像の余地がありますね。

(白樺)  虹とマスクの対照がおもしろいですが今のコロナ禍を知らなければなぜ離れてマスクを外すのか分からないと思います。