元歌: 戻り来て道辺に拾う落葉は吾が胸に住む哀しみの色
最終歌: 戻り来て道辺に拾う落葉は吾が胸に棲む哀しみの色
今月の歌は深沢しのさんの次の歌を選びました。
しみじみとした情緒が漂っている歌です。ただ、”戻りきて”が、会員にはしのさんは外国に棲んでいて、日本に帰郷してのことなのか、という想像は湧きますが、第三者の読者には、恐らく想像できないことではないかと思われます。いろいろな想像でもいいのですが、やはりここでは”帰郷して”とか、はっきりと故郷に自分が戻って来て、ということを言うか、暗示する言葉が欲しいですね。
合評
(千代)とてもいいと思います。“戻りきて”は、帰郷して、という意味ですか?(はい)気になっても通り過ごしてしまったので、道を戻って、という意味にもとれますので。“住む”を“棲む”という漢字を使った方が雰囲気が出るように思いますが。
(北里)日本からアメリカに戻ってきて、ということなのでしょうか。(アメリカから日本に戻りました。3回忌と17回忌で帰国していました。京都、奈良、鎌倉では紅葉がみられましたが、東京は外苑の銀杏も色が落ち葉はありますが色が全部変わっていませんでした。)どこから戻ってきたか分かると「哀しみ」が何なのか、その哀しみがどこからきているのか、読み手にも少しは理解できるような気がします。ここでいう「色」は紅葉、黄葉ではなく茶色の枯れた褪せた色なのでしょう
(白樺: 日本の昔の歌手が歌ったシャンソン”枯れ葉” を思い起こしました。)