2018年9月6日木曜日

2018年8月の短歌と合評



担当:宇津木千代

 今月の短歌として、北里かおるさんの歌を選びました。ネット検索という現代風な言葉をもって、古風な”梅干づくり”を結び付けて上手く一首をしあげました。またその梅干づくりが、ずっと母親がしてきたもので、近年梅干づくりが出来ない状態になってしまった母親。病ゆえに梅干づくりの仕方も尋ねられず、ネット検索で取り組んでいる作者の姿が髣髴と浮かび上がってきます。
 

迷うたびネット検索頼りとす初挑戦の梅干づくり

(深沢)今は便利な世の中となり、私も料理の手順も含め何でもこの頃はよく検索をします。このような便利なものが無かった時代の継承の方法が良かったのかもしれません。良く理解できます。(北里)本当に便利な時代になりました。でも、たくさん持っている料理本は捨てられそうで捨てられずにいます。梅干づくりは母が長年続けていたのですが、ここ数年漬けることができなくなり、今年は私が少量ですが挑戦しました。本当なら母に伝授してもらいたいところなのですが、残念ながらそれは無理で…ネットに助けられました。おふくろの味もネット頼みになる時代です。
(千代) 三句め・・・とすが、口語短歌には硬い感じがします。頼りにするあるいは繰り返すでは?(北里)なるほど。変えます。

最終歌:迷うたびネット検索繰り返す初挑戦の梅干づくり