担当:深沢しの
今月の短歌は北里かおるさんの一首を選びました。
原歌: 太巻きを切れば中から現れし「ムンクの叫び」のり巻きアート
最終歌: のり巻きがついにアートに昇格す切った面には「ムンクの叫び」
多分この巻き寿司は、かの有名なムンクの「叫び」がモチーフで、ムンクの生誕150周年を記念してノルウェー観光局が開催式企画で2位に入賞したものと同じものを言っているのだと思います。当初は完成度が低く、乗り越える壁は、工程を丁寧にすることを自分の中で心がけたとそうです。大雑把にせず、形を整えるためにはお米一粒ずつの配置にもこだわり、それを重ねていくことで作品の完成度が格段に向上したと言っています。巻きずしアートの難点は、最後に切るまで完成形を見るところができないところだそうです。だからこそ未知数で楽しいという考えもありますが、納得いく絵柄を反映させるためには綿密な事前準備と丁寧な作業が欠かせないとのことです。作る人それぞれに色々な作品が出来、出来上がったものに対する解釈も人それぞれです。見本に近づけることよりも、同じ体験をしているのに出来上がりが違ってくることを感じ、それぞれの個性を活かすことが大切だと言っています。表現活動で大切なこととして、誰かに褒めてもらったり、評価されることを意識した制作ではなく、自分の内面から出てくる発想や感情といった個人的な感覚を表現することで、実は観てくれる人からも共感やリアクションが得られるのではないかと思います。
短歌を作歌する時も巻きずしアートと同じなのではないかと思いました。最初は有名な歌を詠み、そこから最初は真似てもよいので何度も詠み、完成度が低いと感じたら丁寧に一語一語に向き合い形を整わせていくのです。同じ題詠から各々の個を活かして歌を詠むことに表通点を感じました。原歌の初句と結句が入れ替わり形を変えた北里さんのこの一首をとても楽しく詠ませて頂きました。
千代)一般的に日本人は本当にアーティスティックな民族ですね。海苔巻きにムンクの叫びをアートするとは!いろいろな深読みのできる歌ですね。
(深沢)ご自分で作られたのですか。芸術を食べるというのも面白みがありますね。作り方を教えて下さい。
(白樺)海苔巻きとムンクの叫びが意外です。「現れし」を「聞こえくる」ではどうでしうか。(北里)のり巻きアートは切った側面が模様になるように具材を重ねて巻くので、金太郎飴のイメージです。「ムンクの叫び」は絵画ですし、例の顔が巻ずしを切ると出てくるのです。
(深沢)ご自分で作られたのですか。芸術を食べるというのも面白みがありますね。作り方を教えて下さい。
(白樺)海苔巻きとムンクの叫びが意外です。「現れし」を「聞こえくる」ではどうでしうか。(北里)のり巻きアートは切った側面が模様になるように具材を重ねて巻くので、金太郎飴のイメージです。「ムンクの叫び」は絵画ですし、例の顔が巻ずしを切ると出てくるのです。