担当:深沢しの
今月の題詠は「叫び、叫ぶ」先月に続いてしまいましたが、北里かおるさんの歌を選びました。
「叫びの壺」という言葉が身近なものに思えたからです。平日の仕事は、3月は決算時期にあるため、毎年普通の時よりも仕事が倍以上になり、土曜の学校の仕事も定期考査、通知表等があるため仕事量が膨れあがり、心から叫びたいと思うことが多くなります。このような物があるのかと感心はしました。アイデイアを出しそれが商品化されることはいいのですが、なにもかも商品になるということに反面、恐ろしさも感じざるを得ません。ストレスだらけの毎日で少しでも胸の中に留めず発散することが可能であれば、それにこしたことはありません。ストレスボール等も昔からあり、発散する物はありましたが、流石日本だなと思う商品のようです。
ユニークな商品で決して安価な商品ではないのですが、それを購入する人に焦点をあてたところが新鮮に感じました。
北里かおる
*通販に「叫びの壺」を見つけたりストレス社会に買う人ありや
(千代) 「叫びの壺」とは上手い題詠の使い方ですね。結句に“買う人があるのだろうか”という疑問符と反語をもってきていますが、「あるだろうか、いやない」ということになってしまいます。そういうですか?ストレス社会だからこそ、「叫びの壺」などが売り出されるのだと思いますが?ストレスのない社会だったら、そのような壺を買う人たちはいないのではないでしょうか?(北里)変な形をしています。ネットで見た時ビックリしました。このような物を売る人がおり買う人がいるのかと。驚きの内容にしたいと思いましたが、「在庫あり」の表記が印象に残りました。全くいないとは言えませんがこのような物を本当に買う人がいるのかな、と疑問を感じたので、「ありや」となりました。
(深沢)何でも商品になり、商売なり得る世の中が怖い気がします。でも、胸の中に秘めて悩むより吐き出せる場所があるのはいいのかなという気にもなります。 (北里)確かに。ちょっと怖い気しますね。アイディアには関心するものの・・・。(白樺) 現代社会の現象を「叫びの壺」で捉えたところがよいですね。
最終歌:*通販に「叫びの壺」を見つけたりストレス社会とて買う人ありや