担当;萩洋子
今月は宮下さんの一首を取り上げました。短歌は俳句ほど季語などに気をつけたりはしませんが季節感を表現することで
その歌にメリハリが生まれたり多くの人に〝ああ、そうだなあ″と共感できることが多いように思います。
この歌は「実感」をとても大切にしていますし声に出して読んだ時の気持ちの良さを感じます。
「ふゆ」を「冬」にしたことで一首がより締まりました。〝冬″という文字を使わずとも冬を感じさせるような一首を
この時期ならではの季節感溢れる歌を詠みたいものです。
宮下もも
立ち昇る煙突のけむり匂うあさ短いふゆの到来を知る
(萩)視覚と嗅覚で冬を感じたのですね、いいと思います。
漢字が続かないように気を配っておられますが〝ふゆ“は漢字が分かりやすいと思います。
(千代)いい歌ですね。きっと暖炉を燃やしていたのでしょうね、その煙のにほいから、冬の到来を感じた、ということで、
そのセンスを歌にしたところがいいです。“匂う”が、煙に似合う字かどうかが疑問ですね。
“におう”がいいように思います。“ふゆ”は“冬”がいいですね。
(もも)「煙突の」ときて、「煙」という同じ漢字を避けるために加えけむりの柔らかさを表現するために「けむり」と続けました。
そのあとは、この歌の自分の中では命であるあの煙の香ばしいいい香りを出したいので、
「匂う」と続け、「冬」はアドバイスいただいたように、漢字にします。
(北里)ヒューストンでも暖房をつけるような寒さの日があるのですね。
煙突に煙が上がっていて、その上匂いまでしてきたのですね。
自分もその寒さに冬が来たことは分かっていると思うので、「冬の到来を知る」のではなく「実感す」くらいでどうでしょう。
(もも)「実感す」だと論文のような堅さが出ると思います。煙の匂いとは薪の燃える匂いのことなのでしょうか。
(白樺: よいところに目をつけましたね。「けむり」「あさ」「ふゆ」 をひらがなにしたのはどういう効果を狙ったものでしょうか。)
最終歌;立ち昇る煙突のけむり匂うあさ短い冬の到来を知る